お問い合わせ 資料請求

専門家コメント

ホーム > ラボランド事業 > 専門家コメント > 内田幸一氏のコメント

すばらしい自然の世界にいざなう良き案内人になるために

幼児に身近な自然とふれあう機会を
  幼児の自然体験についてその大切さを耳にする機会が増えました。30年近く,自然のなかでの幼児教育や子育てに関わってきた私にとってもうれしいことで,これまでの努力が報われたような思いでいます。
  子どもが歩けるようになったら,それほど大自然でなくても,地面があり野の草花が咲き,アリやチョウがいるようなところに出してあげましょう。人工的な公園などでも,草木の緑や鳥や小さな昆虫が目につけば十分。落ち葉や木の実が落ちていたら最高です。そして水や土,砂,草花に触れることができたらどんなにいいでしょう。そんな環境は都市でも探せばけっこうあるものです。もちろん,大都市から離れればいたるところにあります。

自然のなかで子どもを見守りましょう
  自然体験というと特別なことを考えがちですが,まずは自然のなかで子どもがやろうとすることを見守ることからはじめましょう。何をはじめるかはわかりません。何かひろったり,虫を見つけたり,花に興味をもつかもしれません。心ひかれるものに走りよるかもしれません。動かずにしばらくたたずむかもしれません。おとなは笑顔でそれを穏やかに見守りましょう。子どもが何をしても,おとなが認めていることが伝わり子どもが安心できる態度が大切です。そうすれば子どもは自分から動きだします。ことばを発しないような1歳をわずかに過ぎた幼い子であればなおさらです。温かな愛情あふれる眼ざしで見守られ,自分の行動が肯定的に受けとめられていることを,子どもはおとなの態度から十分に感じとります。危険からは守らねばなりませんが,できるかぎり子どもの自由にまかせます。そうしたとき,子どもの心は自己肯定感に満たされていることでしょう。それは喜びの感情であり,その喜びは必ず行動となって現れます。
  自然のなかは子どもの何気ない行動を容認しやすい環境ですし,子どもにとって自然のなかで自分を見守るおとなの態度を気持ちよく感じる経験が積み重なれば,自然は好感度の高い環境としてその子に受け入れられます。幼児が自然を好きになるかどうかは,自然そのものを好きになる前に,そこに関わったおとなの態度に大きく影響を受けるのではないでしょうか。

仲介者としてのおとなの役割
  もし,幼いときに,自然のなかで自由に遊ぶ自分を見守り,その遊びを丸ごと暖かく受けとめてくれるおとながいるという経験からすべてがスタートし,いつもそうした機会が与えられたら,その子はどのような育ちをするか想像してみてください。自然のなかで発見すること,行なうことをともに驚きや喜びをもって共感してくれるおとながいて,自分をこよなく愛する態度で接してくれていたら,その子にとって自然はどんなにかすばらしい世界となることでしょう。
  自然はそれ自体,人の力などはるかに及ばないすばらしいものですが,それを輝かせるか色あせさせたものにするのかは,そこに仲介者として関わる人間の感性によるのです。子どもを,このすばらしい自然の世界にいざなう良き案内人になるかならないかは,おとな自身のなかにあります。幼児の自然体験の鍵は,ここが出発点,基礎の基礎といえるでしょう。

内田幸一

写真:内田幸一氏

内田幸一(うちだ・こういち)

  標高1000mの信州飯綱高原のネイチャーセンターを拠点に、幼児、青少年の自然体験教育活動を展開している。1983年開設の子どもの森幼児園を基に学校法人いいづな学園こどもの森幼稚園、グリーン・ヒルズ小学校を設立。
  現在は自然体験教育、子育てや親子関係についての講演活動、幼児の自然体験の推進を目的に森のようちえんの普及活動を進めている。さらに環境教育・自然教育をベースにしたグローバルな感性や語学力を育てる未来型の学校教育の必要性も訴えている。


専門家コメントの一覧に戻る

お問い合わせ Tel:03-5324-3407
資料請求はこちら
お問い合わせはこちら

ページTOPへ